和田・小野研究室 2017年第2回オープンキャンパス

和田・小野研究室 2017年第2回オープンキャンパス

研究内容について

和田・小野研究室では,フィルタについての研究を行っています.皆さんはフィルタと聞くと何を思い浮かべますか?和田・小野研究室で研究しているフィルタは,電気回路に使用するもので,例えば携帯電話などにも使われています.電気通信大学では他の研究室でもこのフィルタについて研究している研究室はありますが,和田・小野研究室の特徴は,みなさんも勉強したことのある,抵抗,コイル,コンデンサのみを用いたフィルタについて研究を行っていることです.コイルといったら皆さんはきっと銅線を巻いたものを思い浮かべるでしょう.しかし,我々が取り扱うコイルやコンデンサは,皆さんの思っているものとは大きく違います.下の写真が,この研究室で作られたコイルやコンデンサを用いたフィルタです.

この基板は一見,銅箔の模様しか無いように見えます.実際に銅箔の模様しかありません.実はここを通る電気信号にはこの模様が,コイルやコンデンサ,抵抗として働きます.この研究室ではこのように銅板に模様を描くことでできる回路について研究を行っています.

この研究室のもう一つの特徴は,実際に自分の手で回路を作れるところです.最近,多くの研究室ではものを作るといっても,コンピュータ上でシミュレーションを行ない,必要に応じて外部に発注して検証を行うという流れが多いです.しかしながらこの研究室では,コンピュータ上で設計した後,研究室内にある装置を使って回路を製作することができます.つまり回路のアイディアから設計,試作と全て自分で行えます.この銅箔の模様,これをパターンと呼びますが,パターンの形状にはコンデンサやコイルとして働く基本の形状はあるものの,突き詰めるとアイディア勝負のところもあります.そのとき,この実際に自分の手で製作して,調整できる環境というのはとても便利です.

和田・小野研は研究室紹介のポスターや配布冊子がとても特徴的であり,学生達に有名です.残念ながらこの場に載せることができませんが,もし少しでも興味を持ったら実際に訪れてみてほしいです.内容は毎年変わるので見逃せません.

学生へのインタビュー

Q. この大学を受験して今の学科に入ろうと考えたきっかけについて教えてください
学生. 無線通信業界に将来性を感じ,最も無線通信が盛んな大学として電通大を選びました.学科は,当時あった4つの学科の中で,無線通信を専門に学べるところにしました.今の課程で言うとII類にあたります.

Q. なぜこの研究室を選んだのでしょうか
学生. 無線通信が専門と言うと,ざっくりアナログ通信とデジタル通信の分野が存在し,更にその中でもソフトウェアとハードウェア,更にハードウェアの中でも,能動(アクティブ)回路か受動(パッシブ)回路で分かれていたりします.その中でも私は「アナログ通信で用いられるパッシブ回路」に強い興味を持ちました.昨今,無線通信機器を構成するアナログ回路が,どんどんソフトウェアによって置き換えられており,アナログ回路を設計できる技術者は減少して,ソフトウェアを研究する人が増えたと思います.実際,電通大内においても,ここ数年でアナログ回路の大先生方が退官され,新しく入ってきた若い先生方はソフトウェアを専攻されている方が多くなりました.しかしながら,アナログ回路であるアンテナとアンプとフィルタだけは,今後も無線通信を行なうならば絶対に無くならない部分であるため,今後も研究が絶対に必要であるし,世の中への需要は高いと考えました.そこで,アクティブ回路とパッシブ回路のどちらを研究したいか悩みましたが,最終的には配属面談での先生の情熱に惹かれ,パッシブ回路を選択しました.結論として私は,アナログ回路を研究している先生の中で,最もフィーリングが合ったため,こちらの研究室を選択しました.

Q. この研究室ならではだと思う強みや良いところを教えてください
学生. 第一に、議論が活発な所です.うちは2つの研究室が合同で研究を行なっているため,普通の研究室よりも少し人が多いと思います.人が多いと,それだけ色々な意見・考えが出てきます.

週一回ある研究進捗報告では,先生方からだけでなく,学生同士でも質問やアドバイスが飛び交い,お互いの研究がより良くなるように切磋琢磨できています.
活発に意見を交わしているので,他人の研究内容についても理解が深く,他人の研究について代理で発表できるくらいに理解している人が多い研究室は少ないんじゃないか,と思います.

もう一つアピールしたいのは,学生のことを第一に考えてくれる先生方の姿勢です.2人いる先生方は見識が深く,教育熱心な方々です.ただ,自分の意見を押し付ける事は一切なく,むしろ個性を大事にしてくれています.よく「その子の色が出れば、それが一番良い」という言葉を仰っており,あくまでも先生方がしてくれるのはアドバイスであり,指示ではないです.そういう意味では,自分で何か考えられない人にとっては,厳しい研究室かもしれません.ただ,何か「こんなことをやりたい!実現したい!」という思いがある人にとっては,最高の環境です.

Q. 卒業後は主にどのようなところに就職されるのでしょうか
学生. アナログ回路はあらゆる無線通信機器に搭載されているため,受け入れ口は非常に広いと感じています.例えば,携帯電話等の通信キャリアや,テレビなどの放送業界に行かれる方が比較的多い気がします.勿論,研究と同じ方向性で,回路の研究開発をされている方もいます.加えて,回路は”電気の知識”が元になっているため,知識を活かして,大手の電機メーカーに就職される方も多いです.最近は、アナログ回路の知識がある人が少なくなっているため,電気と言う大きな業界において,引く手あまたでした.

Q. 高校生にメッセージをお願いします
学生. 研究室選択もさることながら,大学選択も「何をしたいのか」をしっかり考えてから決めてください.もし,あなたになにかやりたいことがあったとして,それは,電通大で成し遂げられるのかどうか.他の大学では駄目なのか.それを考えてみてください.私からアドバイスできることとしては,光学やロボット等の他専攻の分野については分かりませんが,こと”無線通信”という分野に関しては,電通大は本当に強いです.興味がある方は,ぜひ電通大のII類を見に来てくださいね.

(2017/11/26 取材)
内容は研究室公開時のものです.
教員の異動等により現在の研究内容が異なることがあります.
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