石橋(功)研究室 2017年第2回オープンキャンパス

石橋(功)研究室 2017年第2回オープンキャンパス

研究内容について

石橋研究室ではエナジーハーベスティングを利用した協調通信技術について研究を行っています.エナジーハーベスティングとは,周囲の環境からエネルギーを取り出す技術です.例えば,省電力のデバイスにソーラーパネルをつければ,周囲の太陽光エネルギーを使用することで,デバイスは電池切れを起こすことなく動き続けることが出来ます.協調通信技術とは,複数のデバイス同士が通信を行う技術です.例えば携帯電話は基地局と通信を行うことで,他の携帯電話とメッセージをやり取りします.これに対し,協調通信では,周りにたくさんある携帯電話に電波を中継してもらい,目的の携帯電話とやりとりする技術です.

エナジーハーべスティングと協調通信はIoT (Internet of Things) に深く関わっています.例えば,屋外に大量のセンサーを設置するとき,これら全てのセンサに電源と通信の線を巡らすのはとてもコストが掛かりますし,電池式にしても,電池を交換する必要があります.そこでセンサのついたデバイスそれぞれが太陽光で動き,それぞれのデバイスが通信を中継する仕組みにすれば,センサを設置するだけで勝手に動き続けてくれます.しかし,ソーラーパネルには問題もあります.天気が晴れなら十分に充電できますが,曇りだと駆動分くらいしか発電できないかもしれませんし,雨だとほとんど発電できません.するとデバイス間で充電に偏りが出来てしまいます.充電があまりないところに設置されたデバイスにたくさん伝送をさせると,すぐに電池切れを起こしてしまいます.充電が切れてしまい電源が落ちてしまうと,再起動にはとても多くのエネルギーを使用するため,なるべく避ける必要があります.研究室では,このような問題についての研究を行っています.

デモで展示しているデバイスは,普段はスリープをすることでなるべくバッテリーを消耗しないようにしています.たまに起動し,中継するべき電波がないか確認をして,もしあれば中継します.あまり電池がないデバイスは,起動する頻度を下げることで,電池の消耗を抑えます.これを連続して行うことで信号を目的の箇所まで伝送します.今後は,通信の信頼性を上げて確実に通信ができるようにしたり,ソーラーパネル以外のエネルギー源も考えていく予定です.

学生へのインタビュー

Q. この大学を受験して今の学科に入ろうと考えたきっかけについて教えてください
学生. この大学・学科を選んだきっかけは,もともと電磁波に興味があったことです.周波数によって特性が異なること,それを利用した様々な用途があることなどを百科事典で知ってから,電磁波についてより詳しく学び,これを活用した職種に付きたいと考えていました.電通大は名前のとおり通信分野に強く,偏差値的にもギリギリ目指せるということで,第一志望の大学・学科としていました.

Q. なぜこの研究室を選んだのでしょうか
学生. 最大のきっかけは先生との面談でした.先生の研究に対する姿勢や先輩学生の功績を聞くうちに,「この研究室の,この先生に学問を学んでみたい」という考えを持ったのが最大の理由です.逆に,研究内容についてはあまり考慮しておらず,「この研究室に入れば人間的に成長できるはずだ」という直感のみに従って配属申請を行いました.

Q. この研究室ならではだと思う強みや良いところを教えてください
学生. 学生の環境がよく,研究室が「まとも」であることだと考えています.
学生一人ずつに計算機が渡され,サーバルームにも多くの計算機サーバがあるため,シミュレーションを行う際にもストレスを感じることは少ないです.また,居室には空気清浄機が5台配置されており,「学生に関する環境をよりよいものにしよう」という大きな配慮を感じます.また,先生からは一人の人間(および研究者)として親身に扱ってもらえますし,理不尽なことを言われることはありません.研究発表のスライドや文章に何か不備があれば,もちろん先生や先輩から指摘を頂くことができます.まるで「当たり前じゃないか」ということを書いているようですが,これを実現できる研究室は意外と少ないのではないかと思います.研究を始めとして,するべきことをきちんとしていれば,何も不都合がなく,とても過ごしやすい研究室です.

Q. 卒業後は主にどのようなところに就職されるのでしょうか
学生. 主にシステムインテグレータとして就職している先輩が多いです.それ以外では,ICT関連の企業などに就職する方もいらっしゃいます.

Q. 高校生にメッセージをお願いします
学生. 英語と数学はきちんと学んでおきましょう.学部4年生になり研究室に入ると,新規研究を始めるために,先行研究を調べることになります.ここで,最先端の技術についての研究論文というのは,英語で記されていることが多いです.なぜかというと,より多くの人に自分の研究内容を知ってもらうためには,半ば世界の公用語となっている英語を使ったほうが合理的だからです.すると必然的に,先行研究を知るためには英語の論文を読むことになります.ほぼ避けることはできないので,今から英語を学んでおきましょう.
また,数学は工学部の多くの分野で必須なツールです.数学が必要ない分野が存在することは事実ですし,現時点であなたが興味を持っている分野も数学を必要としていないかもしれません.しかし,大学入学後に様々な科目を受講して広い知識を持ったとき,もっと興味のある分野が出てくるはずです.その分野が数学を必要とするかもしれません.そのときに,「数学ができないから諦めよう」となってほしくないのです.もし数学が苦手な工学部志望の人は,もうちょっと頑張ってみてください.今学んでいるその数式変形が,その問題の解き方が,大学に入ってからも活躍してくれることでしょう.

(2017/11/26 取材)
内容は研究室公開時のものです.
教員の異動等により現在の研究内容が異なることがあります.
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