崎山・菅原研究室 2017年度第1回オープンキャンパス

崎山・菅原研究室 2017年第1回オープンキャンパス

菅原先生へのインタビュー

研究内容について教えてください.

写真は菅原先生

基本的には,ハードウェアのセキュリティについて扱っています.ハードウェアのセキリティには,幾つか考え方があります.一つは物理的な性質に基づくセキュリティです.暗号やソフトウェアなどは論理的な世界のもので,「このようになっているから安全です.というように作っています.しかし,実際にモノにしたときに意図していないことが起こることがあります.例えば,PCやスマートフォンではメモリに情報を一時的に蓄えています.このメモリの内容は,書き換えない限りは変わって欲しくありませんが,実際にはモノであるため,物理的影響によりブレてしまうことなどがあり,セキュリティ上の問題を引き起こします.そのような問題について,私たちは取り組んでいます.

もう一つは,物理的な状態に基づくセキュリティについて,攻撃側でなく,守る側の研究を行っています.例えば,パスワードを知っているお客様以外入れないようにするだとか,Suicaのようなカードを持っている人以外入れないようにするなどするとき,お互いに合言葉を持っていて通すか通さないかを決めています.これに加えて,物理的な距離なども認証の要素に入れたいときに通信路を見ているだけでは,それを確かめることができません.例えば,AさんとBさんがいて,Aさんが特定の光を発して,Bさんがそれを受けることにより認証を行う場合は,光が受けられる距離でしか認証が行えません.しかし,無線LANを認証に用いた場合は,中継機などを用いてその距離をどんどんと延ばせてしまうため,そのままでは物理的な距離を使って認証することができません.私たちは,中継器などで距離を延ばすことができないないような認証方法を考えています.

社会ではこれらの研究はどのように役立っていますか

ICカードの機器のセキュリティが代表です.ICカードは,メモリが書き変わらないようにしています.また,どの程度電力を使っているかによって暗号が解けるという問題がありますが,実際に使われているクレジットカードなどはほとんどすべててがすでに対策されています.

物理的な距離に関するものについては,車のキーレスシステムがあります.車のキーレスシステムは車から何メートルかの距離でエンジンをかけたり鍵を開けたりすることができるシステムですが,電波をリレーされてしまうと遠くからでも鍵を開けたり,エンジンをかけられてしまいます.店の中に持ち主がいても,電波のリレーにより,駐車場の車の鍵が開き,エンジンがかかってしまっては問題です.現在,そのための対策が行われています.

また,現在はIoTへの関心が高まっており,ICカードなどに用いられている技術を応用することが行われています.これは今後10年間くらい重要となると考えています.

学生の就職先はどのようなところがありますか

研究職や,電機メーカー,印刷系(ICカードをやっている),IT系が多いです.セキュリティをそのまま仕事にする人ももちろんいますが,研究と全く関係ない仕事に就く方もいます.

高校生へ向けてメッセージをお願いします

いろいろ調べて,納得できる意思決定を行って欲しいと思います.大学受験は,これからの人生に大きく関わることですが,その結果により人生がどうなるかはわかりません.しかし,自分で決定をしたことであるから,と自分が納得できるように決定することが大切だと思います.大学の決定には,研究室もそうですが,授業などの雰囲気もしっかりと調べておくといいと思います.

学生へのインタビュー

研究室を選んだ理由について

私は暗号に興味を持っていて,暗号関係の研究室にしたいと考えて電気通信大学に入学しました.大学で暗号について研究室を調べていくと,理論と実装の二つに分かれていると感じ,実装関係の研究を行いたいと考えました.実装関係の研究室を探しているとき,友人から崎山研究室を紹介してもらい,それがきっかけで詳しくお話を聞き,決めました.

研究室の雰囲気はどうですか?

メリハリがあると感じています.楽しむ時は,学生室で楽しくおしゃべりしたり,食事をしたりしていますし,研究関係,例えばゼミの時などは,しっかりと指摘をしてもらったりしています.研究室の雰囲気は,研究室選択の際にはまったく重視していませんでしたが,実際に研究活動を行っているとメリハリがあるのはとても良いと思います.