小島研究室 2017年第1回オープンキャンパス

小島研究室 2017年第1回オープンキャンパス

小島先生へのインタビュー

研究内容について教えてください

無線通信における通信方式の研究をしています.具体的には,効率よく信号を伝送するための「変調」や「復調」などの技術の研究です.

注力しているテーマの一つに,ヘリコプター衛星通信があります.テレビ取材や,災害救助などを行うヘリコプターは,地上局との間で通信する必要があります.地理的な問題などでヘリコプターと地上局が直接通信できない場合,前もって決められた内容のテレビ番組などであれば,事前に中継車を配置して通信を行います.しかし,災害時には,当然ですが中継車は配置できないため,通信衛星を経由してヘリコプターと地上局との通信を行います.これが,ヘリコプター衛星通信です.ただし,これには解決すべき問題があります.ヘリコプターの機体に取り付けたアンテナと,その上方に位置する通信衛星との間に,ヘリコプターのプロペラがあるため,周期的に通信が遮断されてしまいます.

この問題の簡単な解決策は,機体に二つのアンテナを設置し.片方のアンテナが遮断されているときに,もう片方のアンテナが通信を行えるようにしておくことです.しかし,この方法では,送受信装置が2つ必要です.現在のヘリコプターは,元々衛星通信を行うことを前提としてはいないため,送受信装置を後付で設置することになります.後付の機器が多くなると,その分ヘリコプターに積載できる重量が減ってしまいます.特に,遭難者の救助などにおいては,装備や遭難者を積める量が減ってしまうことは大きな問題となります.また,機体の重量バランスが変化して,飛行性能に悪影響を与えることにもなりかねません.

そのため,一組の送受信機でプロペラの問題を解決する必要があります.わかりやすい解決策としては,同じデータを時間をずらして複数回送る方法があります.複数回送ったデータの多くがプロペラによって遮断されたとしても,少なくとも一つが遮断されなければ,受信側で元の信号を得ることができます.

プロペラによってタイミング悪く同じ情報が遮断されてしまう,ということは起こりませんか?

そうならないためには,ヘリコプターのプロペラの回転数がいつも一定である必要がありますが,現代のヘリコプターではプロペラの回転数は飛行速度によらず常にほぼ一定なので,問題ありません.この研究では,無線通信だけではなく,このようなヘリコプターについての知識も必要となります.また,最新の取り組みとして,多重化という技術を用いてよりよい性能を実現するための研究も行っています.

学生たちの主な就職先は,どのようになっていますか?

研究内容に即して,通信関係の会社やメーカーが多いです.あとは放送関係です.研究内容と関連した進路を選択する学生が多いです.

高校生に向けたメッセージをお願いします

電気通信大学は,通信だけではなく,理工学の幅広い分野を学ぶことのできる大学です.卒業生もさまざまな分野で活躍しています.オープンキャンパスなどで是非この大学の面白さや楽しさを知ってもらえればと思います.特に,II 類は「融合系」の名が示すとおり多彩な研究室が集まっていて,情報通信分野の研究室も少なくありません.有線・無線を問わず通信に関心のある人は,II 類で興味の持てる「何か」にきっと巡り会えると思います.

 

学生へのインタビュー

なぜこの研究室を志望しましたか?

電気通信大学では,三年生の終わりに希望する研究室を選択する必要があります.ちょうど三年の頃に“宇宙通信工学”という講義があって,それを通して,衛星との通信技術について興味を持ち,関連している研究室を探したところ,小島研究室を知り,お話を聞くことで,ここで研究をしたいと考えるようになりました.大学に入学する段階では,詳しく研究したい分野は特になかったのですが,大学で色々な講義を聞いたり,先輩方の話を聞くことで,だんだんと通信に興味を持ち,具体的な方向性が定まっていきました.高校でも色々な授業があると思いますが,受験などのきっかけを通して,自主的に学んでいくことで,自分の方向性などを固めていけるといいと思います.